コラム | archinet コーポラティブハウス

2024.6.15

富嶽三十六景

冨嶽三十六景 下目黒

葛飾北斎「富嶽三十六景」の「下目黒」は往時の近郊の様子をよく伝えてくれます。 起伏に富んだ地形に、灌漑を行って低地は田圃、斜面地では段々畑が耕され、農民たちは茅葺家屋から鋤や赤子を抱えて農地に向かっています。 薪炭材の伐採でしょうか、一帯ははげ山で松が一株残される位です。 ここは鷹狩の場でもあり鷹匠も描かれ、遠方に富士山が控えています。 こうした地に、近代以降、主に谷筋に鉄道が開通し、田畑や丘陵は人口増とともに宅地化されていまに至ります。

このような先人たちの数世紀にも亘る営みと思いの蓄積によって、自然環境とバランスをとりながら徐々に生活環境が形成されてきました。エートスというのでしょうか、自主自立の心持ちで仕事と子育てを両立させ、土と緑に親しみ、ときにオオタカを観察する、といった場所に即した生活慣習が、時を隔てても受け継がれている気がします。 プロジェクトを進めるにあたって、畏れと恵みをふと感じたりもします。

 ただいまアーキネットでは、北斎が描いたような目黒・世田谷の地において、コーポラティブハウスの参加組合員を募集しております。選択を絞る前に、いくつかをプランを並べて知りたい、コーポラティブハウスの仕組みを理解したい、といった方にも気軽にご参加いただけるイベントです。ぜひお越し下さい。

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