コラム | archinet コーポラティブハウス

2024.8.1

牧場

芥川龍之介の著述の中に、実父は牧場・牛乳販売業で財を成したとあります。龍之介は生後8か月で叔父の家に預けられ、叔母に牛乳で育てられたそうです。父は渋沢栄一らがはじめた箱根仙石原の牧場で働き、その後、築地居留区の営業所・牧場の支配人に任じられ、さらに内藤新宿二丁目の牧場を渋沢栄一から譲り受けて、200頭ほどの乳牛を飼育していました。いまの新宿二丁目が牧場で、渋沢栄一や芥川龍之介と縁が深かったとは意外です。
この牧場の先の北新宿・柏木地区は、平安時代から続く円照寺、江戸時代から続く鎧神社がつくる緑豊かで落ち着いた街並みでかつては大邸宅が並び、内村鑑三、西条八十など文化人らが多く暮らしていたそうです。さらにその先の東中野は、戦前は、井出海軍大将をはじめ高級将校の邸宅街として発展し、戦後は駅前にレストラン・式場「モナミ」が開店し、岡本太郎、安倍公房、埴谷雄高、野間宏、石川達三といった文化人のたまり場だったとのこと。街と文化コミュニティの発展は深い結びつきがありました。

このたび新たに参加組合員を募集する「新宿テラス」「中野坂上テラス」は、この柏木地区、東中野に位置し、緑豊かでゆったりした街並みに調和した巧みな空間構成によって、知的なオーラが漂うようなプランが魅力です。朝日を受けて牛乳を飲めば、健やかになれそうです。ぜひご検討下さい。

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