コラム | archinet コーポラティブハウス

2024.10.21

歴史の糸

教科書では不平等条約と書かれていますが、関税自主権がなかったのは貿易理論からすれば実は幸いでした。保護関税による利権もないので、新興の商工業者が活躍して生糸の生産と輸出で潤い、海外の安価な毛織物や綿製品を購入できる、ということで自由貿易による経済厚生は当時のGDPの8∼9%を押し上げたそうです。そしてこの生糸は戦前まで輸出の5割近くを占めて外貨を稼ぎ、その7割以上がストッキング用としてアメリカ向けでした。これだけの輸出が途絶えるのに戦争したのか、と歴史の糸を手繰りながらと考えさせられます。

日米修好通商条約を結んだのは井伊直弼、これを不平等条約として非難する攘夷派を処分します。これが安政の大獄で反対派を吟味したのが、旗本 久貝正典でした。その久貝家の江戸屋敷が位置するのが市谷薬王寺、この由緒ある場所に新たにコーポラティブハウス「市谷薬王寺FLAT」を計画し、参加組合員を募集いたします。駅徒歩2分、全戸三面に開かれて、中庭の植栽と採光が軸となるプラン、みなさんのお暮しを心豊かに織りなす糸となることを願っています。

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