2025.4.17
わかりにくさ
藤井聡太七冠の活躍で、将棋のタイトル戦がメディアでもよく取り上げられています。
窮地を脱する妙手「8二桂」、といった内容ですが、大半の読者は棋譜が読めるほど将棋に詳しくありません。スポーツならスーパーショットやファインプレーは一目瞭然ですが、将棋の手筋は難しいです。そこで報道では、「AIを超える一手」「観戦者も驚く妙手」といった間接的な表現を工夫しています。
最近はトランプ関税が話題です。しかし大半の読者は、国際収支統計や部分均衡分析、比較優位などに詳しい訳ではありません。報道もこうしたメカニズムや帰結をあまり理解しないまま、「株価が下落」「関税交渉で譲歩は禁物」と伝えています。
分かりにくいものを、分かりやすく伝える難しさ、よく分からないまま伝える問題について、いろいろ考えさせられます。
好評募集中の「西荻窪テラス」ですが、この4月20日に現地そばの一軒家カフェにて出張相談会を開催いたします。ヌケが良くて隔たりもとれる空間の魅力を、模型や写真などを交えて分かりにくいものを分かりやすくお伝えします。ちなみに建築を担当される乾さんは、先ごろ公開された横浜美術館のリニューアルで「じゆうエリア」を設計されています。寛げる場はこうしてつくられるのか、と空間を体験するのもおすすめです。春の現地の雰囲気を味わいがてら、ぜひご参加下さい。