コーポラティブハウス こころをかたちに Vol.02 - archinet コーポラティブハウス

こころをかたちに Vol.02

  • 01 土間のある住まい

  • 02 落ち着く場所

  • 03 薪ストーブのある暮らし

  • 04 お気に入りのソファ

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住戸01 土間のある住まい

 予算の割に空間を広くとれる

前は練馬に住んでいて、銀座までの通勤が大変だったんです。通勤に便利な場所は、面積が小さくて、値段は高いことが多かったのですが、このプロジェクトは予算の割に空間を広く確保できると思ったので、参加を決めました。

 もっと空間を自由に

以前、新築のマンションを見せてもらったことがあったのですが、選べるのは床、壁などの仕上げに限られて、申し訳ないけれど、あんまり羨ましくなくて。もっと空間を自由にしたいなと感じていました。
リノベーションも選択肢としてはあるかな、と思っていたところで、たまたま石神井公園のプロジェクトの広告を駅で見つけました。そういえば、学生のときに、コーポラティブハウスのことを学んでいたなと思い出し、興味を持ちました。アーキネットのコーポラティブハウスの見学会にも何度か参加してみて、いいなと感じたので申込みました。

 住まいづくりのノート

住まいづくりにあたってまずノートをつくりました。夫婦で話をして言葉を書きつけ、イメージは雑誌などを見て探し、写真を切り抜いて貼っていきました。建築家の川辺さんと話をするときには持っていって、打ち合わせの内容を追加していきました。設計の打ち合わせは、月1回ぐらいのペースで行いました。最後のころは出産で里帰りしていましたが、造作家具の図面を送ってもらい、赤ペンを入れたりして、やりとりを続けました。

 犬のいる家をつくろう

犬を飼おうと思いました。前が緑道なので散歩にいいかなと思ったんです。ノートにも、毎回書き始めには必ず犬がいます。そのため、玄関から緑道まで抜ける土間を、廊下や部屋よりも優先しました。 最初のプランでは土間の位置に階段がありましたが、2回目の打ち合わせで、階段を別の位置に移して、土間にすることにしました。後で聞いたら、階段の位置をずらしたのはうちだけだったようですが、良かったと思っています。
仕上がりとしては、新築の建売やマンションのように、軽すぎる印象にならないようにしました。

たくさん書き込まれた住まいづくりのノート

たくさん書き込まれた住まいづくりのノート

住戸1の画像© Takeshi YAMAGISHI

 ロフトの提案

夫は書斎がほしい、けれど私は個室にこもられたくないし、PCを隅に置かれるとごちゃごちゃするからイヤ、と話をしたら、川辺さんが階段の下にロフトをつくる提案をして下さいました。ロフトの下は、カーテンを回せば一個の空間になります。ゲストが眠る場所にもなりますし、普段は畳でごろごろできるんです。

 風通しのいい地下のリビング

地下だから湿気が抜けるように、というアドバイスを川辺さんから頂き、風が抜けるようにしたのが正解でした。実際、風通しはとてもいいですよ。以前お好み焼きパーティをやったのですが、両側の窓を開けておいたら、朝には、匂いは残っていませんでした。夏は涼しくて、冬はすごく暖かいです。冬は、床暖房だけで過ごせます。サッシは木枠にして、ペアガラスにしました。いいものを選んでよかったと思っています。吹き抜けがあるので寒いのではないかと心配していましたが、暖かくて本当に良かったです。

 土間を広くして正解

土間は、すごく良いです。ベビーカーも折りたたまずにそのまま入って来られますしね。友人が来たときも、ベビーカーが5台縦列で置けました。
天気が悪い日でも、子どもが遊べる場所になります。地階の天井が高い分、1階の天井は低くなっていますが、土間に入ると奥のテラスが緑道に抜けていて明るく、いい効果を上げていると思います。

 一体の空間に

完全な個室はトイレ、寝室、お風呂だけにしました。子どもの部屋も想定して、土間とつながる空間にカーテンレールを回しています。『頭のいい子が育つ家』ではないけれど、一体の空間の方がいいと思いました。
寝室とトイレは同じ階にしました。ねぼけて階段を下りるのは不安でしたので(笑)。すごく静かなので本当によく眠れます。玄関を開けていても、部屋の中はとても静かなんです。

 細かな工夫で効率的に家事ができる

洗面所とキッチンを隣にしたので、家事の際に上下に移動せずに済みます。家事をしていても、いつも子どもに目が届くのが嬉しいですね。
洗面ボウルは二人立てる大きさなので朝は都合がいいし、その横の台で洗濯物がそのまま畳めるようになっています。
お風呂はブルーに塗って、少し雰囲気を変えてみました。お風呂の窓から青空も見えますよ。 キッチンはコンクリートで、リビングから見えないように立ち上がりをつくりました。曲がって奥まっているところにパントリーをつくり、中が見えないように工夫しました。

リビングからキッチン、洗面と連続する空間。いつも子どもと一緒。© Takeshi YAMAGISHI

リビングからキッチン、洗面と連続する空間。いつも子どもと一緒。

地階リビング。階段の上は吹き抜けになっており、やさしい光が落ちている。© Takeshi YAMAGISHI

地階リビング。階段の上は吹き抜けになっており、やさしい光が落ちている。

玄関からテラスへ抜ける土間。風も光もやさしく入り込む心地よい空間。© Takeshi YAMAGISHI

玄関からテラスへ抜ける土間。風も光もやさしく入り込む心地よい空間。

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住戸02 落ち着く場所

 参加のきっかけ

10年前、転勤で初めて東京に来たときに、この場所の近所のアパートに住んでいました。以前から緑道のある暮らしに憧れていましたし、静かなところに落ち着いて住みたかったので即決でしたね。

 「地下に住むの?」

メゾネットは、扉がなくても空間を仕切れるので、ライフスタイルに合わせやすくて住みやすいと感じています。
地下については、周囲からも「地下に住むの?」と心配されるほど暗いイメージを持たれていて、若干不安もありましたが、住んでみると採光や湿気対策がしっかりしていて全く問題ありませんでしたね。地下にも2箇所テラスがあるため、 気持ちよく風が抜けますし、日差しもリビングの中央まで差し込んでくるのでとても満足しています。

 住まいづくりのポイント

大きく3つありました。 一つ目は、 お風呂に大きな窓があること。平日の疲れを、休日の朝風呂で、ゆっくり新聞を読みながら癒したかったんです。マンションではできないことなので、ぜひこだわりたいと思っていました。
二つ目は、 寝転がれる畳のある空間がとれること。来客時の宿泊スペースにもなるような場所です。川辺さんからの提案で、下がり壁にして窓の位置を下げることで、落ち着いた雰囲気になりました。
最後は、扉や仕切りを極力なくすこと。もともと自分一人で住むのでプライバシーはいりませんし、仕切ってしまうことで小さい空間だと感じたくなかったので。散らかしてもいいキッチンや納戸を仕切って見えなくし、それ以外は全部オープンにしました。

 水廻りはひとまとめに

水廻りをまとめてすっきりとしたかったので、浴室、洗面、キッチン、トイレを一列に配置しました。 統一感を出しながらも、雰囲気を変えたかったので、同じ材質で異なる印象を持つタイルを採用しました。

 汚れや劣化も楽しむ

壁・床などの色使いは極力シンプルにして、色は後から家具などで足していこうと思っています。犬を飼っているので、床は汚れや劣化も楽しめるよう、粗い木目にしてもらいました。暮らしていく中で、味が出てくればいいと考えています。

 遊びに来た人も「落ち着く」空間

住み心地は期待通り。緑道の景色がいいのは予想以上ですね。
寝室は、仕切り感を出すために、通路部分から少し床面を下げています。地階の天井高を目いっぱいとった分、1階は天井が低くなっているので、かえって落ち着きますね。自分のためだけに作った空間のはずなのに、遊びに来た人も「落ち着く」と言ってくれますよ。勝手に寝たり、馴染んでくつろいでくれるのが嬉しいですね。
張り切って部屋を作り込みすぎず、ベースをシンプルにしておいて良かったと思います。こだわり過ぎて家具やモノを置いていたら、暮らすうちに次々に色が足されて、かえってまとまりのない空間になっていたかもしれません(笑)。

寝室から北側の玄関に風が抜ける。書斎スペースの裏は大きな納戸。© Takeshi YAMAGISHI

寝室から北側の玄関に風が抜ける。書斎スペースの裏は大きな納戸。

ドライエリアからリビング越しの和室。寝転がりながら疲れを癒す大切な場所。© Takeshi YAMAGISHI

ドライエリアからリビング越しの和室。寝転がりながら疲れを癒す大切な場所。

テラスからの眺め。緑の景色を切り取る。

テラスからの眺め。緑の景色を切り取る。

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住戸03 薪ストーブのある暮らし

 立地が一番の決め手

企画を知って、まず計画地を見に行きました。緑道沿いの立地が一番の決め手になったと思いますね。滅多にないと直感したんです。大手ディベロッパーのモデルルームもいろいろ見てはいましたが、思うような間取りがなく、惹かれませんでしたね。ここは、ロフトが家の途中にあるレイアウトが斬新で、印象に残りました。メゾネットで緑道側にも開けている3階に、リビングを広くとれるのも良いなと思いました。

 たったひとつのこだわり

建築家の川辺さんからのいろいろな提案を、ディスカッションしながら形にしていきました。月1回ぐらいの図面に向かっての打ち合わせを、全部で7~8回しましたね。こだわったのは一点だけ、お風呂が緑道につながるように、ですね。マンションだとお風呂は大抵北側で、暗いというのがずっと嫌でしたので。

 素材感を大事に

やっぱり木がいいですね。素材感を大事にしたかったので、無垢材を選びました。ところが、無垢材のフローリングだと床暖房が使えない(※ 現在は床暖房対応の無垢の床材があります) 。そこで、床暖房をやめて薪ストーブにしました。暖かいですし、みんなで集まった時にピザも焼けるし、煮物も出来るんですよ。以前から木枠のサッシはいいなと思っていましたが、よくよく聞くと意外にバリエーションがあって、どれにするか迷いましたね。最終的には、良いものが選べたので満足しています。手すりもサッシに合わせて木にしました。

 薪を選ぶのも楽しみ

リビングはなるべく広くしてもらい、あまり家具を置かずに使っています。というのは、薪ストーブの効果で、床で過ごすのが気持ちいいからなんです。ストーブの前でごろごろしています。薪はネットで買っています。30㎏のものを、一冬で3ターン。薪を選ぶのも楽しみのひとつですよ。山桜は香りを楽しめるし、ナラは固いので長時間持つ、といった感じで。薪ストーブは、屋根の躯体にトンネルを空けて煙突をつけることが必要。マンションではまず出来ないので、本当に良かったです。ロフトはまだあまり上がってはいませんが、風がよく通るので、夏になったらごろごろするのに使う予定です。

 LDKは広々シンプルに

上のLDKのフロアはあまり区切らず、大きな空間にしました。壁もコンクリート打ち放しのまま、なるべく残すようにしました。せっかくこんなにキレイに仕上がっているので、打ち放しにして良かったです。キッチンは、夫婦で料理をするので広く使えるようにしました。カウンターを長くして、蛇口も二つ。ホシザキの業務用キッチンのイメージで、総ステンレスにしました。食器棚は立ち位置の後ろ、腰より低いところに、木で引出しをつくっていただきました。意外と、ここが一番お金がかかったところかもしれませんね(笑)。

高い天井高を生かしたロフトは、寛げる畳のスペースになっている。© Takeshi YAMAGISHI

高い天井高を生かしたロフトは、寛げる畳のスペースになっている。

階段の左側は納戸と水周りを集約した機能スペース。奥に明るい寝室。© Takeshi YAMAGISHI

階段の左側は納戸と水周りを集約した機能スペース。奥に明るい寝室。

火のぬくもりが暖かい薪ストーブ家族の気配が感じられる階段。© Takeshi YAMAGISHI

火のぬくもりが暖かい薪ストーブ家族の気配が感じられる階段。

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住戸04 お気に入りのソファ

 駒沢公園に歩いて行ける場所

家はけっこう探しました。異動先の上海からホームページを見ていたんです。コーポラティブハウスは自由に設計できるところに魅力を感じていました。駒沢公園を中心に探していて、歩いて行けるところがいいなと思っていました。以前、都立大に暮らしていて、駒沢公園によく行っていたからです。ここは目の前が緑道で緑が多いし、予算的にもちょうどよかったので決めました。

 お気に入りのソファが入る家

空間構成でこだわったのは、LDKをできるだけ広くとれることです。寝室は寝るだけ、リビングは一番多くの時間を過ごすところなので広めにとりたかったですね。ずっと使い続けているお気に入りのソファがふたつあるのですが、ふたつ入る家はなかなか見つからず、以前のマンションではソファを置いたら身動きできませんでした。ソファは幅が2mもあり、前後も長いんです。引越し屋さんはいつも大変で、今回の引っ越しでも緑道から吊って入れたくらいで。窓も大きくとって広く感じられるようにしました。リビング、ダイニングを余裕のあるスペースにしたいなと思って、キッチンからできるだけ見渡せるよう、仕切りや壁がほとんどないようにしました。

 食器に合わせた棚の高さに

キッチンはとてもシンプルです。収納は北側に集中させて、食器棚は、持っている食器に合わせてすべて高さを調整してもらいました。エスプレッソマシンなどを置く場所は広めにとって使いやすく。子どもの様子を見ながら料理や洗濯もできますし、上の階からの声もよく聴こえますよ。

 お月見ができる寝室

引っ越して最初の夜、子どもと一緒に寝ながらお月見ができました。お団子とすすきも用意して、感動しました。木枠のサッシがすごく暖かい感じがしますし、遮音性も高く、雨が降っているのも分からないくらい静かですよ。

 斜め天井の子供部屋

斜め天井の下の部分の使い方は、建築家の川辺さんに考えて頂きました。プランも、最初は3階がリビングでしたが、広くとれるよう2階に移しました。3階には床に段差をつけてもらい、各部屋の区切り感を出しています。お風呂場は狭くても、動き回ることはないので、その分、他をゆったり使えるようにしました。

 濃いめのフローリングを選んだ理由

落ち着いた雰囲気にしたかったので、ちょっと濃いめの色味を意識しました。フローリングも随分悩みましたね。壁の色はシンプルに白、アクセントで一部だけブルーにしています。コンクリート打ち放しも良かったのですが、あえて色をつけてみました。何となく人の手でつくった感じを残したかったので、階段の脇の壁は、荒い質感を残しました。

 住んでみてわかったこと

実は、住んでから家具は買っていません。本棚も創り付けで使いやすいですね。テラスは、子どもが外に出てごはんを食べたい、というのでよく使いますが、汚しても気にならないのが良いですね。計算していませんでしたが、緑道がまるで庭のようです。その向こうも植木屋で木にいろいろな鳥がやってきて楽しめますね。

斜め天井の下は屋根裏のような子供部屋© Takeshi YAMAGISHI

斜め天井の下は屋根裏のような子供部屋

外の緑と心地よくつながるリビング。テラスも素材を合わせて一体化した。© Takeshi YAMAGISHI

外の緑と心地よくつながるリビング。
テラスも素材を合わせて一体化した。

お気に入りのソファが2つ入るリビング。大きな窓の外の緑がまぶしい。© Takeshi YAMAGISHI

お気に入りのソファが2つ入るリビング。大きな窓の外の緑がまぶしい。

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