住戸01 人の集まるリビング
参加のきっかけ
二人目の子供が生まれて手狭になったのがきっかけで、自由が丘、都立大学エリアを中心に探していました。注文住宅か中古マンションリノベーション、自由設計を検討しましたが、戸建てだと土地代が高く、中古マンションリノベーションだと、築20~30年になっていて管理費や修繕費もかかり住んでいる人たちと世代も違う。そんな中でコーポラティブハウスを知り、他社の説明会に参加しましたが、ありきたりのマンションタイプでピンときませんでした。アーキネットの募集プロジェクトでこの企画を知り、(建築家の)鹿嶌さん、佐藤さんと面談した際に、「構造上無理のない範囲で柔軟に対応する」というお話で、「これはいい」と感じました。
イメージは広いワンルーム
理想は広くてワンルーム、高い天井、というイメージがありました。この住戸だけはほぼワンルームで広くて正方形で、囲むようにドライエリアもあり気に入りました。鹿嶌さんが、「(自分たちの)設計事務所として使ってもいい」とおっしゃっていて、それほどいいのなら、と感じて決めました。アーキネットで竣工した都立大テラスを見たときに、離れのある家、ドライエリアのある暮らしもいいと思いました。等々力の街も、子育て環境として魅力的で、自由が丘や二子玉川へのアクセスも良く、便利です。
スクラップブックでイメージを共有
インフィルの打ち合わせの際には、テイストを伝えるためにスクラップブックを持っていきました。BRUTUSなどを参考に、アメリカの倉庫をイメージしていました。言葉や図面だけでは伝わらない部分があるのでスクラップブックはコミュニケーションツールとして役立ちました。妻の要望としてはもっと生活感をというもので、コンクリートのキッチン、回遊できる間取り、子供の動きが見渡せる環境、をベースに細かい点は夫が決めました。
ドライエリアに開いた浴室
床をコンクリートにしたのは思い切りましたが、普段は絨毯を敷いています。キッチン後ろの壁面は、全て足場板と古材でつくってもらいました。上部まで全て収納なのは、出来る限り広くするためで、武蔵小山のトランシップに依頼して、ダイニングテーブルもつくってもらいました。鉄骨階段は(建築家の)佐藤さんの力作です。お風呂をウッドデッキに、というのも建築家の提案でした。1階の寝室については将来二人の子供で分けられるように設計してもらいました。設計の時間がとても楽しく、鹿嶌さんたちみたいな建築家にお願いできて良かったと思います。
ドライエリアもお子様には遊び場のひとつ。 浴室とつながるベンチでアイスやビールを楽しむ
採光も兼ねた設備スペース(浴室の右手扉)。左手扉はリビングへとつながる。回遊できる動線は大人も子供も嬉しい。
暮らしてみて
テレビがなくプロジェクターにしているので、部屋を広く使えます。回遊性もあって子供たちにとっても飽きない空間のようです。都内でこれほど広くて予算も合う、というのは一番の魅力だと思います。反省点は、コンセントをもう少し増やしても良かったのと、ドライエリアに水栓をつければ良かったという点です。最初は加湿器をつけていてカビが生えてしまいましたが、除湿器を使うと良いと、住民の方から教わりました。室内はとても静かで雨にも気づきません。台風の時も全く分からなくて、なんで幼稚園が休みなのかと思ったほど(笑)住んでみて一番良かったのは、お風呂。子供たちと毎日1時間ほど入っています。子供たちは幼稚園から帰ってきて、すぐにお風呂、そしておやつ。生活のリズムに入っています。アイスクリームをこぼしても大丈夫ですし、大人もお風呂でビールを味わう。とても気に入っています。
人の集まるリビング
1階は寝るだけで、基本は地階リビングでみんなでガチャガチャしています。幼稚園の友達も頻繁に遊びにきてくれます。先日、出張シェフにお願いして、20人ほどのホームパーティをしましたが、賑やかになっても外に響かないので安心です。夏は、ドライエリアに3mの大きなプールを出します。子供たちはいつもキッチンに(見てくれる)人がいて安心ですし、宿題もここで片づけることになると思います。
最後に
年に数回、草むしり大会で住民のみなさんと顔を合わせます。ハーブを植えようというアイデアも具体化されて、そういった想像の幅が今後も広がっていくのが楽しみです。
L字型のドライエリアに囲まれたリビング。 時間の移ろいとともに動く陽だまりが心地よい
1時間入るのが日課となっている、ドライエリアに面したバスルーム。
L字型の思い思いの場所で寛ぎながらも、お互いの気配を感じるリビングダイニング。
建築家とのイメージ共有のため活用したスクラップブックは、家づくりの大切な思い出のひとつ。