仕切りのないリビングダイニングは、どこにいても家族の気配を感じられる
住戸01 外部との繋がりを感じられる住まい
参加のきっかけ
もともと妻の社宅に住んでいました。当初は普通のマンションをリサーチしていて、色々調べていくうちにコーポラティブハウスの存在を知りました。普通のマンションと戸建ての良さを兼ね備えている点が良かったですね。都心で戸建ては経済的に現実的ではなく、マンションは画一的なのでしっくりこなくて、コーポラティブハウスしかないなと思いました。他社のコーポラティブハウスやリセール中のコーポラティブハウスも検討しました。アーキネットのWEBを閲覧したり、内覧会に参加したりしながら、アーキネットのプロデューサーの対応も含め、コーポラティブハウスでの住まいづくりが自分が求めているものだと感じ、最終的にアーキネット1本に絞りました。小田急線と京王線・井の頭線が両方使えるエリアを探していましたが、条件が合うものがあれば早い者勝ちで、すぐ手を挙げられるように決めていました。
住戸選び
(全11住戸のうち)この住戸を選んだ理由は日当たりと開放感でした。以前住んでいた社宅は築40~50年で、かつ、日当たりもイマイチでじめじめしていたんですよね。なので、そこから解き放たれたいという思いがありました。募集が始まった当初は、まだ敷地内に古屋があったので、その屋上に上がらせてもらい、眺望を確認しました。
大きな窓からの南側の光が差し込むリビング
仕切らない空間(インフィル設計で考えたこと①)
いま振り返ると、インフィル設計にあたり考えたことは、4点に集約できる気がします。まず、1つ目は仕切りを設けないことですね。これは設計打合せの最後まで貫き通しました。当初は子どもが生まれていなかったですし、夫婦で住むことができれば良いと考えていました。なので、部屋を設ける必要は無いし、仕切り壁を作ってしまうと狭く感じてしまうので、仕切りを設けないと決めていました。
外部空間との連続性(インフィル設計で考えたこと②)
2つ目は、壁面をグレーか白、手すり部分などは黒で統一することです。建築家の北山先生から、室内の壁をコンクリート打ち放しにすることで、外壁との連続性をもたせたいとのコンセプトがあり、打ち放しの壁にしました。
キッチンと収納の工夫(インフィル設計で考えたこと③)
3つ目は、キッチンや収納が壁の中に溶け込むようにすることです。原設計ではコンクリートの構造柱が2本あったので、その間にキッチンを設置する提案がありました。とにかく家具を絶対外に置かないと決めて、その間にちょうど収まるように製作しました。キッチンと収納を兼ね備えた形にしようとキッチン家具のメーカー屋さんに依頼しました。キッチンの窓の位置とぴったりにできて良かったです。
南側バスルーム(インフィル設計で考えたこと④)
4つ目は、南側にバスルームを配置することです。浴槽は小さいのが嫌だったので、ブランドのショールームを大阪まで見に行き、長めで大きいものを選びました。
外壁との連続性が生まれる、打ち放しの内壁
収納を兼ね備えたオーダーキッチン
コーポラティブハウスに参加して良かったこと
一番良かったのは建設組合のメンバーですね。ご縁の一言につきますけど、11世帯それぞれ、とても信頼できるので、総会でも安心して議論に臨むことが出来ました。建物完成後、管理組合になってからも、その雰囲気が引き継がれ、何をするにしても一体感というか、住み始めた後の諸課題も皆で丁寧に議論しています。管理組合の総会の後は駐車場の横のスペースに机並べて、懇親会を開いたりしますね。(笑)
実際に暮らしてみて
建設期間の2年間は、自宅のインフィル設計のことで頭がいっぱいで、とても住んだ後のことまでは考えることが出来なかったんですね。ただ、実際に住み始めると、ご近所さんにとても助けられていることを実感しています。こちらが子育てで手一杯で困っていた時に面倒を見てもらったり、様々なアドバイスをいただいたり、竣工までに培われた良好な関係がベースになっていると思います。
建築家とのコミュニケーション
間取りについて自分で簡易な図面を作ってみたりして、インフィル担当の方に渡して、それを具体化してもらいました。最初は私たちの思いが溢れていたので、廃案が多かったかな(笑)。プロフェッショナルとして、様々なアイデアをいただくことができ、最終的にほぼ理想の形にできました。多分、最初の自分たちの考え通りに作ってしまったら、変なものが出来上がってしまったと思います。自分たちの希望を伝え、プロの意見を踏まえて、現実的な所を探していきながら、最終的に(前述した)4つのコアな部分が見えてきたという感じです。自分たちがコストダウンになると思った箇所が、プロから見ると、それほどでもないということが分かりました。それらのプロセスをどれだけ楽しめるかが大切だと思います。(プロセスを通じて)自分たちで取捨選択していくからこそ洗練され、最終的に自分なりに納得するものが出来ているのだと思います。私たちの場合は図面がコミュニケーションツールになっていて、最初から「この図面でお願いします」と担当者にお願いしていたのですが、振り返ると、最初は大まかな希望を伝えて、それを形にしてもらった方が良かったのかなと思ったりします。戻れるなら、インフィル打ち合わせの最初に戻りたいぐらいですね。
竣工時の様子、左側にはバスルーム