コーポラティブハウス こころをかたちに Vol.13 - archinet コーポラティブハウス

こころをかたちに Vol.13

  • 01 憧れの建築家とつくる愉しさ

  • 02 念願の住まいづくり

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Vol.13-メインイメージ

お料理好きな夫婦の大きなキッチン。小さな北向きの窓から、保存樹木が見える

住戸01 憧れの建築家とつくる愉しさ

 参加のきっかけ

結婚してすぐに70㎡強の分譲マンションを川崎の方で買い、10年ほど過ごしました。それから子どもが生まれて、もう少し都心で職場に近いところ、小田急沿線の代々木上原や代々木八幡あたりで探していました。そこでたまたまチラシを見て、アーキネットのことを知りました。

 北向き住戸の魅力

以前の分譲マンションは南西向きで、西日が強く、とてもきつかったです。北欧家具のショップスタッフの方が、北向きの部屋なら日差しが穏やかで、家具は長持ちすると説明していたこともあり、南向きは最優先ではないと感じていました。検討段階では、子どもたちを連れて周辺を散策したり、アーキネットのオフィスで建築模型を見ました。そして、日差しの当たり方や、窓から見える周りの景色をイメージしました。ホームページや図面から読み取れない不安はほとんどなかったです。キッチンには北向きの小さな窓があり、そこから保存樹木の緑が綺麗に見えるので、今もとても気に入っています。

 住まいづくりの愉しさ

都心で高層ビルが建ち並ぶ地域や、タワーマンションは視野にありませんでした。近隣住民の方々の顔が見えることや、暮らしの中で緑を感じられることを重視していたので、以前住んでいた川崎のマンションと同じように、低層で世帯数は多くない集合住宅を探しました。実は、結婚前に松陰神社あたりに遊びに来ていたことがあり、世田谷という地名のわりに、計画地周辺がのんびりして落ち着いた住環境ということは知っていました。また、一人暮らしの頃はタカギプランニングオフィスの賃貸に暮らしていたので、建築家が設計した空間には親しんでいましたし、セタガヤテラス設計の建築家(若松均氏。以下同。)の作品が好きだったことから、セタガヤテラスの募集が始まり一番最初に申し込みました。その昔、自分の実家が建て直されたとき、子どもながらに要望を設計士に伝えて、自分の要望がかたちになって嬉しかった記憶があります。その時に、「住まいづくりって愉しいな」と初めて思いました。それもあって、新築に引っ越す際は、戸建で注文住宅を建てるか、アーキネットのプロジェクトに参加するかで検討していました。当初は子どもが小さかったこともあり、妻は慎重で乗り気ではありませんでしたが、根気強く説得しました。

北向きに申し込んだポイント1

間仕切りができる子ども部屋。現在はソファのあるクローゼットとして。専有面積60㎡台で家族4人暮らし

間仕切りができる子ども部屋。現在はソファのあるクローゼットとして。専有面積60㎡台で家族4人暮らし

人通りの多すぎない、世田谷らしさがある路地。親子でボール遊び

人通りの多すぎない、世田谷らしさがある路地。親子でボール遊び

仕上げを黒色から白色へ変更した階段。南の中庭から太陽光が差し込む

仕上げを黒色から白色へ変更した階段。南の中庭から太陽光が差し込む

 プラン

家の中で家族それぞれが離れていても、お互いの気配を感じる生活を要望しました。面積的には70㎡弱と制約があったので、一番長くいるリビング、ダイニングの面積をなるべく広くとりたいと建築家に伝えました。また、夫婦二人とも料理が好きなので、キッチンのサイズを大きくしました。実は、募集開始当初のプランにあった4つのバルコニーの1つを、お向かいさんに引き取ってもらいました。結果的に、3つのバルコニーのうち、1つは植栽用に、上の1つはリビングへの採光用に、子どもは遊び場として使っています。もう1つはコンテナを置いてキャンプ用品の収納用に使っています。

一番悩んだのは子ども部屋です。子どもは長くて15年程度しかいないことを想定すると、やはり長く住むのは夫婦二人なので、子どもが巣立った後の住環境を見越して、間取りは可変的な仕様にしたいと思っていました。子ども部屋は今は1つですが、2段ベッドで部屋を分けたり、間仕切りサッシを入れたりできるように下地が入っています。

細かい点ではコンクリート打放しが好きなので、コンクリートの質感を感じられる箇所を要望しました。フローリングは自分の目でたくさん調べ、幅広の無垢材を要望しました。また、以前のマンションで便利だったので、ディスポーザーと大型の食器洗い機を希望しました。スイッチの場所、コンセントの数については、「後悔しないように多めに設置しよう」という記事をブログで発見したので熟考しました。

私は仕事柄、図面を見る機会が多いので、建築家のプランを見て立体的なイメージがある程度できていました。結果的に間取りはいわゆる3LDKになり、一部屋は物置として使っています。70㎡弱ですが、子ども二人、夫婦二人が無理なく暮らせることは自分たちの中ではシュミレーションできていました。インフィルの工事費調整では大きなものの方が判断しやすかったです。例えば、バルコニーのウッドデッキは、すぐ諦めました。一方で、仕様を落としても一万円程度の減額のものだと、これから数十年暮らす家なので、後々後悔しないように、仕様を落とさない判断をしました。最終的には、当初の見積もりから300万円ほど仕様を落としました。期待することが大きかったこともあり、譲れないところは最後まで譲りませんでした。

間取り図

 暮らしてみて

ほぼ思い通りに仕上がりました。想像していた暮らしと違和感はありません。天井のメリハリが絶妙で、床面積以上に空間の広がりを感じることが一番嬉しいです。床面積は以前のマンションよりも小さくなりましたが、子どもたちに聞くと、「今の家の方が広く感じる」と言っています。大好きな住まいなので、一分でも早く帰りたい、と思うように変化しました。掃除や植栽の手入れなど家のことに手をかけ、丁寧な暮らしを楽しむようになりました。風通しもいいです。予想以上にキッチンの使い勝手がよく、妻も気に入っています。お風呂の仕上げはショールームで見つけて気に入ったタイルにしました。外からの自然光はもちろん、お隣のお庭を借景に緑を眺めながら、気持ちよくお風呂に入れます。住みごこちは良く、周辺環境も含めて、妻も満足しています。また、子どもが友達にこの建物を誇らしげに話しているのを見たことがあり、親としては嬉しいです。

 アーキネットをご検討の方に

アーキネットのコーポラティブハウスは、こういう家に住みたい、こういう生活をしたい、とイメージがある人にはすごく向いている仕組みだと思います。間取りや建材にこだわりたい人、インテリア好きな人にはもちろんですが、入居までの期間に行われる総会や、建築家との打ち合わせを楽しめる人には、とてもおすすめです。そういった話し合いの中で、「こういう暮らしをしたかったんだ」と、改めて自分たちを見つめ直す機会になりました。2年ほどかかりましたが、貴重な時間でした。互いに提案ができる建築家とのやりとりは楽しく、他の組合員と話し合える総会も心待ちにしていました。総会の後や建築家との打ち合わせの後、一緒に食事会をして組合員同士仲良くなりました。組合員は30代の方がほとんどでしたが、ご近所づきあいの輪が広がってよかったです。特に、向かいのご夫婦には、とてもよくしてもらっていて、子どもたちはサッカーの相手をしてもらったり、夜遅いときは面倒をみてもらうこともあります。

北向きの優しい光が差し込む和室

北向きの優しい光が差し込む和室

自然光に照らされた緑が見える、北向きの浴室

自然光に照らされた緑が見える、北向きの浴室

Vol.13-メインイメージ

中庭の自然光を採り入れ、かつ愛猫に気づくことができるガラス張りの玄関ドア。生活空間が中庭から見えないように工夫されている

住戸02 念願の住まいづくり

 参加のきっかけ

ずっと住まいづくりをしたいと思っていましたが、海外居住でしたので、なかなか機会に恵まれませんでした。帰国後に賃貸で鎌倉に住み、子供が生まれたタイミングでアーキネットをWebで見て知り、アーキネットが企画したメゾネットタイプ(B1F+1F)の中古物件を見学しに行ったことがあります。そして、子どもが小学校に上がるタイミングで、プロジェクト募集段階のセタガヤテラスを見つけました。

住まい選び

世田谷に地縁はありませんでした。品川区に妻と二人で住んでいたことがあり、計画地周辺を訪れると、品川区と同じように住みやすそうな雰囲気だと思いました。中古物件を見学していたので、地階の様子は知っていました。そのうえで、上の子と夫婦二人で暮らすイメージができたので、1ヶ月ほど検討し、プロジェクトに参加する決断ができました。メゾネットタイプは階ごとに個性が出るため、戸建てやフラットタイプにはない良さがあります。プロジェクト募集時に建築家(若松均氏。以下同。)から提案された“空間の小分けシステム”は、現在ではとても大事な提案だと思っていますが、提案された当時は、よく理解できていなかったかもしれません。

建築家との話し合いの中で生まれたインフィル設計

白基調に仕して吹抜上部から採光をとり入れるリビング

白基調に仕して吹抜上部から採光をとり入れるリビング

つくりつけの家具を黒基調にしてメリハリをつけたダイニングキッチン

つくりつけの家具を黒基調にしてメリハリをつけたダイニングキッチン

東側の大きな窓から、採光をとり入れる1階の寝室

東側の大きな窓から、採光をとり入れる1階の寝室

踊り場。ゆるやかに領域が連続する、空間の小分けシステム

踊り場。ゆるやかに領域が連続する、空間の小分けシステム

 建築家との打合せ

建築家との最初の打合せ前に事前アンケートがあり、趣味を聞かれたことがとても新鮮でした。妻は料理、子どもはインドア、自分はスポーツ、家族でアウトドアと書きました。最初の打合せでは、そこから話が広がりました。インテリア雑誌を見せながら、好みの雰囲気を伝えました。そして、私たちからの要望として、①収納は余裕をもって確保し、生活感が出ないようにしたい、②キッチンスペースを広くしたい、③猫を飼いたい、などを建築家に伝えました。それから、キッチンは壁付けかオープンかなどと細かくすり合わせていって、自分たちでは気が付かないことには建築家から提案をしていただきました。

例えば、①リビングを白基調にして吹抜上部から採光をとり入れること、②キッチン側は、つくりつけの家具を黒基調にするなど暗くしてメリハリをつけること、③愛猫が玄関まで来ていても、外から見てすぐに分かるように、玄関はガラス張りにすることといった内容でした。

最終的な間取りとして、家の中心に用途が決まっていないフリースペースを作りました。そこでは、下の子が遊んだり、ハンモックをつけてテレビを観たりしています。また、玄関脇スペースは土間にして、外から生活空間が見えないように工夫されています。

最初のコンセプトに納戸はありませんでしたが、話し合いの中で納戸を設ける提案が生まれました。それは私たちにはなかったアイデアでした。私たちの中にキッチンの好みは明確にありましたが、明確なこだわりのない箇所については、そういった話し合いの中で、建築家から多くの提案をいただきました。例えば、収納スペースをとろうとすると、壁付けにして高さがある方が効率的に収納量が確保できていいのかなと思っていましたが、視界の広がりがある方がいいと建築家から提案してもらいました。そして、高さを抑えて、色を黒基調に統一したつくりつけの収納家具を設計していただきました。当時所有していた家財を十分収納することができ、空間としても広々としていて、結果的によかったと感じています。また、同じく黒基調のダイニングテーブルは、当初は大きすぎるように思いましたが、実用性が高くて居心地もよく、とても気に入っています。

(竣工時の写真)路地に面したトップライトからリビングの吹抜に自然光が差し込む

(竣工時の写真)路地に面したトップライトからリビングの吹抜に自然光が差し込む

(竣工時の写真)キャットウォークの下にはプロジェクターを設置するための小さなスペースがある

(竣工時の写真)キャットウォークの下にはプロジェクターを設置するための小さなスペースがある

 暮らしてみて

引越した時から違和感なく暮らせています。生活の中で、細かいところに設計の工夫があることに気づき、その積み重ねで満足感は高いです。例えば、キッチンやダイニングは人が通れるスペースをたくさんとっているので、夫婦二人で同時に作業しやすいです。また、つくりつけの収納家具のおかげで、収納に困ることもありません。シャンデリアをつけたい、やさしい色にしたい、かわいいドアがいいなど、子どもの希望も叶えられました。また、他の組合員とも、建設期間中にアーキネットと建築家が企画してくれた懇親会があり、適度な距離感になっています。管理面では、管理会社に委託する内容は最小限にしてコストを抑えました。年間の収支管理、植栽管理などは組合で協力しています。年末には組合で高圧洗浄機を借りて、みんなで綺麗に掃除しています。

 住み替え

入居後に下の子が生まれて、家族4人になりました。子ども部屋を2つ作れるように、もう少し広い家に住み替えたいと思い、現在はアーキネットのコーポラティブハウスで二度目の住まいづくり中です。次の住まいは1Fがメインのメゾネットタイプ(B1F-1F)です。在宅ワークのスペースを寝室に設けたいと思っています。

 コーポラティブハウスについて

良質な住まいづくりの手段かなと思います。時間はかかるし、コストもかかるけれど、自分で叶えたい暮らしがある方にはすごく合うと思います。本当に、自由に暮らしを創造することができました。また、建築家と他の組合員とが一緒につくり上げていくプロセスが楽しいです。インフィルについては妻と一緒に図面上で、どこに何を置けばいいか、フローリングかタイルか、水回りは造作にするか、ユニットバスにするか…など、たくさん話し合いました。最初はどうしても具体的にイメージができませんでしたが、細かいところを夫婦で話し合い、建築家に提案することで、イメージが言語化できました。このプロセスは大事だなと思いました。

 最後に

地下はとてもいい空間です。外からの音は入らないし、気温は安定しています。地下階でも自然光は入りますし、おこもり感があって落ち着きます。戸建てにもマンションにもない空間だと思うので、これからアーキネットで住まいを検討する方には、ぜひともチャレンジしてほしいです。

  • 01 憧れの建築家とつくる愉しさ

  • 02 念願の住まいづくり